<前穂高・北尾根 その4>
その5へ

ガスは晴れない。5峰の山頂を過ぎ、正面に
4峰の堂々とした山容がガスの中に浮かぶ。
5峰から4峰の登り口までは蛇行し、さらには足場の悪い。

その斜面はスパッと涸沢側に切れ落ち、これから先の難路を予想させられ、気持ちが
萎えてしまいそうになる。

昨年9月はここまで来た。これから先は
未踏の領域になる。昨年は5峰を過ぎ、
4峰を目の前にして怖気づいた。

この時は、自分の力さなに深く悔しい
思いをした。


その後この4峰の山容は、実に昨日まで
消えなかった。再挑戦するなら完全に
雪渓の消えた8月、それも長く
休暇の取れるお盆か9月の連休と思った。

この執着が自分にとって良いことなのか
悪いことなのか…たぶん悪い方になると
思うが、山の血が収まらない。
(と以前は素直に書けたのだが…)
 
しかしである…
歳を取ると山の血が云々という前に、
気力自体がなくなってきた。
困ったことだが。
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